専務取締役の安田です。
10月25日 建築士会のメンバーと共に福島県南相馬市へ東北大震災の復興状況視察に行ってきました。
地元のボランティアガイドにお世話になり、車で約3時間半の視察となりました。
見るもの見るものが衝撃、驚愕の連続でした。その中でいくつか紹介したいと思います。
まず始めに、あまりにも被災面積が甚大であること。私たちが視察したのは海岸沿いせいぜい20キロ程度でしたが、被災した海岸の延長はおおよそ500キロにも及ぶとの事。
次ぎに、復興の槌音は全く響いていない。ようやく片付けが一段落と言った状況。唯一海岸線の防潮堤の築造工事が目に見える形となってきた程度です。田んぼの真ん中には、津波で押し流された自動車が未だに数台、或いは津波で骨組ノミとなった住宅や商業施設もまだ数件残っている状況です。
三つ目は、津波の被害がなかった地域も第一原発の計画的避難区域に指定された地域は今でも夜の滞在は許されておらず、日中も閑散としアニメに登場する廃墟のようであった。
最後に、除染作業。南相馬市では、放射線量の大小はあるものの,ほぼ全域が除染作業の対象となっている。市の面積はおおよそ京丹後市に匹敵する面積。放射線量により除染方法も全く異なりますが、場所によっては海岸から数キロ離れた場所においても山の除草、落葉除去、道路や側溝の除染と言った現状で、その対象エリアが広範囲過ぎて、どこで誰が何をしているか全く判らない状況。
今後徐々に水下、川下へと地道な作業が続きます。そして海岸沿いの膨大な農地は全く手つかずのままの状況です。計画では28年度,あと3年と6ヶ月で完了となっており、近々に大手ゼネコンが作業に着手するとの事でしたが。全く先の見えない状況ようです。
ボランティアからお願いされたことは,数点の禁止事項と,出来るだけ地元産品を土産として買って欲しいと言うことでした。メディアがあまり取り上げなくなった昨今はどれほど復興が進んでいるのかなと期待していましたが、復興はおろかまだまだ被災者の心は癒されていない事を痛感しました。
今後もこの惨事が風化されることなく、教訓となり生かされることを期待すると共に、出来ることを出来る範囲で応援出来ればと考えます。